「 社内ベンチャー制度 」が失敗する理由

2017年4月4日コラム, 設立後Q&A, 起業

この記事の所要時間:310

以前働いていた職場で、
「5年で年商10億円の新規ビジネスを回せる人を10人育てましょう」という目標を立てたことがありました。

そのために実施した施策が、次の2つです。

  • 新規事業の企画を募集するという「社内ベンチャー制度」
  • 「権限委譲」により事業部門長を増やす

どちらの施策も、短期的な評価としては失敗に終わりました。

より正確に言うと、
「社内ベンチャー制度」については、制度はあるものの形骸化。
「権限委譲」は、短期間での業績向上には寄与しませんでした。

社内ベンチャー制度がうまく行かない理由

『「社内ベンチャー制度」がうまく行かなかった理由はなぜなのか?』について、社内で総括を行いました。

結論は、新しい事業を立ち上げたいという気持ちは、そもそも制度によって生まれるのではなく、ある人は最初から持っているということでした。

つまり、社内ベンチャーがうまく立ち上がらないのは、ベンチャーを立ち上げたいと考えている社員が社内に少ないから。
制度によって仮にやってみようという気持ちになったとしても、失敗を乗り越えていくことのサポートにはならないのです。

社内に、ベンチャー気質をもった人ばかりを集める。
あるいは、ある一定の割合で採用する方針を打ち出していたとすれば、うまく機能する可能性もあったかもしれません。

事実、社内で新規サービスの立ち上げたり、事業の立ち上げをしたりした社員は、自分で新規サービスを企画した人間であったり、過去に起業の経験がある人間ばかりでした。
もちろん、「社内ベンチャー制度」など利用せずにです。

事業部門長増加計画がうまく行かなかった理由

事業部門長を増やしたことによって、業績が向上しなかったことを失敗とするならば、当初の権限委譲は失敗に終わったということになります。

こちらについても社内で総括を行いました。
そもそものゴール設定が間違っていたという結論になりました。

事業部門長を増やしたことの本来の意味は、権限委譲による事業部門長の育成だったはずです。
失敗も含めた経験値を上げさせることが短期的な目標であるべきで、短期的な業績については諦めるくらいの割り切りが必要だということです。

とはいえ結果から言うと、5年くらいのうちに組織内に部門長クラスの人間が育っており、人材育成という側面から評価すると制度的には、成功だったと言えます。

2つの制度運用から得られた学び

2つの制度運用を通じて、起業を検討する際にも適用できる学びがありました。

本当に起業したいのか?

一つは、『本当に起業したいのか?』という問いにイエスと答えた人だけが起業することを選択するべきだということです。

リトマス試験紙としては「無意識のうちに起業しない理由を探してないか?」という質問があります。
もし起業しない理由を探しているとしたら、一度立ち止まって考えてみるのもよいと思います。

仮に起業の目的がお金がもっとほしいだったとします。
その場合、お金を稼ぐことを目的として、選択肢を再検討してもよいかもしれません。

出世するもよし、副業するもよし、投資するもよし、いくつかの選択肢のなかで、起業という選択が一番よいのであれば、そうすればよいのです。

経験による学習

本当に起業したいという気持ちがあると確認できたのであれば、出来るだけ早い段階で必要な経験をすることをオススメします
事業部門長の育成に間がかかったように、起業後のビジネスを軌道に乗せていくという経験にも時間がかかります。

実践に勝る学習はありませんので、起業をしてしまうのが一番よいのですが、そうでない場合でも、起業後に必要になるスキルを想定しながら、キャリアを積み上げていくことが重要だと思います。

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