腸内細菌に学ぶ組織マネージメント

2017年3月25日コラム, 人事, 設立後Q&A

この記事の所要時間:520

突然ですが、
腸内細菌に、善玉菌、日和見菌、悪玉菌という3種類があることをご存知でしょうか?

簡単に説明すると、

  • 善玉菌:宿主の健康維持に貢献する菌
  • 日和見菌:善玉菌と悪玉菌のどちらが優勢かによって、味方につくほうを変える菌
  • 悪玉菌:宿主の健康維持に害を及ぼす菌

といった役割があります。
詳細については、本話題とは脱線しますので、割愛しますね。

これら腸内細菌ですが、健康な人の腸は、
善玉菌:日和見菌:悪玉菌=2:7:1
という割合で存在します。

この数値、「2:6:2の法則」に似ていると思いませんか?
今回、「2:6:2の法則」に、腸内細菌の生態を応用する方法について話します。

それでは、まいります。

2:6:2の法則とは

「2:6:2の法則」は、元々は、「働きアリの法則」という働きアリの生態に関する法則だったものを「2:6:2の法則」として組織論に流用されました。

「働きアリの法則」

  • 働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。(=パレートの法則)
  • 働きアリのうち、本当に働いているのは全体の8割で、残りの2割のアリはサボっている。
  • よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。
  • よく働いているアリだけを集めても、一部がサボりはじめ、やはり2:6:2に分かれる。
  • サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。

(引用:ウィキペヂア)

実際の組織論では、「優秀な社員」2割、「普通の社員」6割、「あまり働かない社員」2割が存在し「あまり働かない社員」の首を切ったとしても、また「あまり働かない社員」2割が発生するというように説明されることが多いです。

問題は、この法則をビジネスに活かす方法論があまり用意されていないということです。
よくある方法が、あまり働かない社員ばかりを集めて仕事をさせれば、その中から2割の人が優秀な人になるといった方法です。

しかし、あなたが「あまり働かない社員」だったと想像してください。
「あまり働かない社員」のレッテルを貼られた集団の中で、力を発揮したいと思いますか?
恐らく答えは、「NO」でしょう。

といったように、組織の構成員が感情を持った人間であるということを無視した活用法が多いのが現状です。

では、「2:6:2の法則」を組織運営にうまく活用する方法はあるのでしょうか?

「2:6:2の法則」の正しい理解

2:6:2の法則」をうまく活用するには、
まず「2:6:2の法則」の正しい理解、つまり「働きアリの法則」を正しく理解することが必要です。

「働きアリの法則」が何故発生するのか?
それは、自然界にとって、それが必要だからです。
つまり、自然界においては、「働きアリの法則」がちょうどよいバランスなのです。

働くアリと働かないアリの差は「腰の重さ」、専門的に言うと「反応閾値」によるという。

アリの前に仕事が現れた時、まず最も閾値の低い(腰の軽い)アリが働き始め、次の仕事が現れた時には次に閾値の低いアリが働く、と言う形で、仕事の分担がなされている。

仕事が増えたり、最初から働いていたアリが疲れて休むなどして仕事が回ってくると、それまで仕事をしていなかった反応閾値の高い(腰の重い)アリが代わりに働きだす。

「疲労」というものが存在する以上、一見サボっているように見えるアリの存在が、コロニーの存続に大きな役割を果たしている。

仮に全てアリが同じ反応閾値だと、すべてのアリが同時に働き始め、短期的には仕事の能率が上がるが、結果として全てのアリが同時に疲れて休むため、長期的には仕事が滞ってコロニーが存続できなくなることがコンピュータシミュレーションの結果から確認されている。

閾値によっては一生ほとんど働かない結果となるアリもいるが、そのようなアリがいる一見非効率なシステムがコロニーの存続には必要だという。

(引用:ウィキペディア)

※「働きアリの法則」について、もっと詳しく知りたい人は、「働かないアリに意義がある」をご覧ください。ミツバチの話などもあり、面白いです。

すべてのアリが同じようによく働いていては、疲労によりコロニー全体が死滅します。
また、時間帯や時期の変動、突発的な事象にうまく対応するためにもバッファーが必要です。

「働きアリの法則」こそが、生き抜くための自然界の知恵だということです。

つまり、人間の組織に当てはまると「2:6:2の法則」にあてはまる組織の状態は、良い状態であるということです。環境の変化が激しい状態においてという前提条件がつきますが。

では、2:6:2の状態の組織をさらによりよくすることは可能でしょうか?

腸内細菌の組織論への応用

ここで、腸内細菌に話を戻します。
腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌のどちらが優勢かによって、腸内環境全体のパフォーマンスが変わります。
これは、日和見菌が、善玉菌と悪玉菌のどちらが優勢かによって、味方につくほうを変える菌だからです。

「2:6:2の法則」に応用すると、「優秀な社員」2割と「あまり働かない社員」2割のバランスを変え、「優秀な社員」が優勢になるようにします。
そうすることで、「普通の社員」が「優秀な社員」の味方について、組織全体のパフォーマンスが良くなるという仕組みです。

腸内細菌改善の場合、善玉菌の勢力を強めるために、善玉菌にとって良いとされる食物繊維を増やしたり、善玉菌の一種である乳酸菌を摂取したりします。

人間組織においては、社員全体に対して施策を打つのではなく、優秀な社員が働きやすい環境の整備やインセンティブを用意することに注力していくということになります。

間違っても、あまり働かない社員を排除することを目的とした施策に力を入れてはいけません
悪玉菌には悪玉菌の役割があります。無理に善玉菌と同じようにふるまわせようとしても、結果はうまくいかないものです。

といったように、
「働きアリの法則」では、ビジネスに活用する方法論が少なかったのですが、腸内細菌の組織論への応用によって、ビジネスに役立てるイメージが少し湧いたのではないでしょうか?

組織運営の際にご参考にいただければ、幸いです。

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