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有能なあなたが無能になる前に

  1. 能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。したがって、有能な平(ひら)構成員は、無能な中間管理職になる。
  2. 時が経つにつれて、人間はみな出世していく。無能な平構成員は、そのまま平構成員の地位に落ち着く。また、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は、無能な人間で埋め尽くされる。
  3. その組織の仕事は、まだ出世の余地のある人間によって遂行される。(出典:ウィキペディア)

これは、ピーターの法則という組織構成員の労働に関する社会学の法則です。

小難しそうな法則ですが、要は「人は無能になるまで出世する」ということです。

なぜ、こんなことが起こるのでしょう?

「できる人に仕事が集まる」とよく言われます。
頼む側も頼んだことをパフォーマンス高く仕上げてほしい訳です。
依頼する人を選べるのであれば、できる人に頼みたいというのが人情です。
そうして、できる人には質的、量的に多くの仕事が集まり、それらをこなすことによって、出世していきます。
(現実の世界は、派閥や好き嫌いといった要素もあり、もう少しだけ複雑ですが。)

出世を繰り返すたびに、どこかの時点で、質的、量的な限界を迎えることになります。
当然、出世は止まります。

仕事ができる人は、どこかの時点で仕事ができない人変わってしまうのです。

こんな不幸な出来事が組織内のいたるところで起きているわけですが、あなたにとっても他人事ではありません。
あなたが有能である限り、好むと好まざるによらず、仕事はあなたに集まってくるのですから。

できる人というレッテルからできない人というレッテルに張り替えられる前に、私たちにできることはないのでしょうか?

私は、「引き算の発想」を使えば、ピーターの法則に陥ることをかなりの確率で防げるのではないかと考えています。

 

引き算の発想が有効な理由

賢明なあなたなら、もう気付かれたことでしょう。
ピーターの法則は、人間が限界まで頑張ることによって、発生するのです。
逆に言えば、あなたの限界を超えないような仕組みがあれば、ピーターの法則に陥ることはないということです。

キャパを超えないために「やらないこと」を決める。つまり、引き算の発想を使えばよいということになります。

 

やらないことを決める

仕事を含む様々な決定局面。最も難しいことのひとつは、「これはやりません」と決めることではないでしょうか?

しかし、「やらないこと」を決定せずに、あらゆることに取り組んだ結果として、有能なあなたが、無能になる瞬間が訪れるのです。

「やらないこと」を決める勇気をもってください。あなたが有能であり続けるために。

 

「やること」を組み立てる

「やらないこと」を決めると、「やること」が明確になります。
「やること」が明確になったなら、「やること」を組み立てて、全体像を作ってください。
この全体像を「やること群」と呼ぶことにします。

 

「やること群」の一貫性を確認する

「やること群」の中の「やること」同士を比べてみてください。
ちぐはぐしていたり、大切なことが抜け落ちているといったことはありませんか?

組み立てた初期の時点では、
『「やること」だけでは業務遂行が難しい』
『「やること」同士で矛盾が生じている』
ということが発生しがちです。

まずは、矛盾点、問題点を把握してください。

 

「やること」リストと「やらないこと」リスト間でトレードする

ここまでで、「やること群」の矛盾や問題点が見えてきました。
次に、行うべきことは、「やること群」の矛盾や問題点が「やらないこと」リストの中のどれかで解決できないかを考えてください。
解決できるようであれば、「やること」リストに移してください。

このままでは「やること」を増やしたです。
必ず「やること」リストから、同程度のボリュームの項目を「やらないこと」リストに移してください。

 

繰り返す

  1. 「やること群」を組み立てる
  2. 「やること群」の一貫性を確認する
  3. 「やること」リストと「やらないこと」リスト間でトレードする

を繰り返してください。

そうすることによって、一貫性の「やること群」が出来ます。
さらに、「やらないこと」が決まり、あなたの限界を超えないスリムな状態が出来上がります。

非常に手間のかかる作業です。
しかしながら、「無能になるか」、「今手間をかけるか」の二者択一。
あなたが、わざわざ「無能になる」道を選ぶとすれば、そのチャレンジ精神を称賛せざるを得ません。

 

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