引き算の発想

2017年3月16日コラム

この記事の所要時間:420
  1. 能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。したがって、有能な平(ひら)構成員は、無能な中間管理職になる。
  2. 時が経つにつれて、人間はみな出世していく。無能な平構成員は、そのまま平構成員の地位に落ち着く。また、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は、無能な人間で埋め尽くされる。
  3. その組織の仕事は、まだ出世の余地のある人間によって遂行される。(出典:ウィキペディア)

これは、ピーターの法則という組織構成員の労働に関する社会学の法則です。
小難しそうな法則ですが、要は「人は無能になるまで出世する」ということです。

なぜ、こんなことが起こるのでしょう?

「できる人に仕事が集まる」とよく言われます。
頼む側も頼んだことをパフォーマンス高く仕上げてほしい訳です。
依頼する人を選べるのであれば、できる人に頼みたいというのが人情です。

そうして、できる人には質的にも量的にも仕事が集まっていきます。
できる人は、その仕事をこなしていくことによって、出世していきます。

しかし、出世を繰り返すうちに、どこかの時点で限界を迎えます。そして出世は止まります。
仕事ができる人は、どこかの時点で仕事ができない人変わってしまうのです。

これは、あなたにとっても他人事ではありません。
あなたが有能である限り、仕事はあなたに集まってくるのですから。

それでは、「できない人」になってしまう前に、あなたにできることはないのでしょうか?
実は、「引き算の発想」を使い、ピーターの法則に陥ることをかなりの確率で防ぐことができます。

そこで「引き算の発想」を使って、「ピーターの法則」に陥らない方法について、説明しようと思います。

引き算の発想が有効な理由

賢明なあなたなら、もう気付かれたことでしょう。
ピーターの法則は、人間が限界まで頑張ることによって、発生します。
逆に言えば、あなたの限界を超えないような仕組みがあれば、ピーターの法則に陥ることはないということです。

「引き算の発想」
つまり、「やらないこと」を決めればいいのです。
そうすれば、あなたのキャパを超えることはなくなります。

やらないことを決める

仕事を含む様々な決定の局面。
最も難しい決定のひとつに「やらないこと」を決めることがあります。
しかし、「やらないこと」を決めずにあらゆることに取り組むことは許されません。

なぜなら、結果、有能なあなたが無能になる瞬間が訪れるのですから。

あなたが無能にならないためにも「やらないこと」を決める勇気をもってください。
「やらないこと」を決める基準は、大きく2つです。

  • あなたじゃなくてもできること
  • やりたくないこと

現実には、あなた以外に頼める人がいなかったり、やりたくなくてもやらなくては回らない仕事などが発生します。
それらを解消するための方法については、これから説明しますので、今は何も考えず、2つの基準に従って、「やらないこと」を決めていってください。

「やること」を組み立てる

「やらないこと」を決めると、「やること」が明確になります。
「やること」が明確になったなら、「やること」を組み立てて、全体像を作ってください。
この全体像を「やること群」と呼ぶことにします。

「やること群」の一貫性を確認する

「やること群」の中の「やること」同士を比べてみてください。
ちぐはぐしていたり、大切なことが抜け落ちているといったことはありませんか?

組み立てた初期の時点では、
『「やること」だけでは業務遂行が難しい』
『「やること」同士で矛盾が生じている』
ということが発生しがちです。

まずは、矛盾点、問題点を把握してください。

「やること」リストと「やらないこと」リスト間でトレードする

ここまでで、「やること群」の矛盾や問題点が見えてきました。
次に、行うべきことは、「やること群」の矛盾や問題点が「やらないこと」リストの中のどれかで解決できないかを考えます。
解決できるようであれば、「やること」リストに移してください。

このままでは「やること」を増やしただけです。
必ず「やること」リストから、同程度のボリュームの項目を「やらないこと」リストに移してください。

繰り返す

  1. 「やること群」を組み立てる
  2. 「やること群」の一貫性を確認する
  3. 「やること」リストと「やらないこと」リスト間でトレードする

を繰り返してください。

そうすることによって、一貫性のある「やること群」が出来ます。
さらに、「やらないこと」が決まり、あなたの限界を超えないスリムな状態が出来上がります。

非常に手間のかかる作業です。
しかし、今手間をかければ、あなたが無能になることを防げます。

そして、忘れてはならないことがあります。
「やること」は時間とともに肥大していくことです。
「引き算の発想」で定期的に「やること群」の整理を進めてください。もちろん、あなたが無能になる前に。

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